管理栄養士の中性脂肪対策食事講座

中性脂肪が気になる人のための油選び方・摂るべき油と減らすべき油

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油(脂質)と聞くと「カロリーが高い」とか「食べたら太ると」いったマイナスのイメージを持つ方が多いと思います。

中性脂肪が高いと言われると、真っ先に油や油を使ったものを控えようとする方も多いのではないでしょうか?

でも、それは正解ではありません。

油も体にとっては重要な働きをもっています。例えば、私たちの体は60兆個の細胞からできていますが、その細胞の壁は油(脂質)からできているのです。

そのため、極端に油の摂取不足になると皮膚がカサカサになったり、血管が破れてしまったり体に大きなダメージを与えます。

油と一言で言っても、油にはいくつか種類がありそれぞれ個性をもっています。今回はその油の種類について詳しく解説いたします。

中性脂肪が気になる方が「積極的に摂りたい油」と「なるべく避けたい油」を区別できるようになって、今後の食事に生かしていただけたらと思います。

 

油(脂質)の分類

中性脂肪が高い人が摂るべき油はどれ?

脂質は脂肪酸の構造の違いによって大きく飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2つに分類されます。

 

飽和脂肪酸

飽和脂肪酸とは、炭素の二重結合をもたない脂肪酸からなります。

 

不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸とは、炭素の二重結合をもつ脂肪酸からなります。

不飽和脂肪酸は、さらに一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分類されます。

また、多価不飽和脂肪酸は、最初の二重結合の位置によってn-6系とn-3系にさらに分類されます。

 

脂肪酸とその特徴

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の特徴を詳しくみていきましょう。

 

飽和脂肪酸

飽和脂肪酸は凝固温度が高いため、ヒトの体内では凝固しやすくなります。

多く入っている食品としては、肉類、バターなどの動物性脂肪になります。

エネルギー源として使われ、血液中の中性脂肪やコレステロールを増やす働きをします。

その中でも、トランス脂肪酸は、血中の悪玉コレステロール(LDL-コレステロール)を増やし、善玉コレステロールを減らす作用をします。

トランス脂肪酸は、マーガリンやショートニングに多く含まれるので、これらをなるべく控えると動脈硬化を予防できます。

つまり、飽和脂肪酸が含まれている油、肉に脂、バターなどの動物性脂肪、トランス脂肪酸が「なるべく避けたい油」です。

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不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸は植物性脂肪に多く、魚介類、大豆、植物油などに含まれます。

不飽和脂肪酸は、大きく分けると「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」に分かれます。

 

一価不飽和脂肪酸

一価不飽和脂肪酸は炭素と炭素間の二重結合を一つ持ち、その位置からオメガ9系脂肪酸に分類されます。

一価不飽和脂肪酸は、酸化されにくいという特徴を持ちます。

また、コレステロールを低下させる作用もあります。しかし、善玉コレステロール(HDL-コレステロール)は減少させません。

多く含まれる食品は、オリーブ油、菜種油、アーモンド、アボカドがあります。

オリーブ油を多く調理として使う地中海沿岸地方では、他の欧米諸国に比べて心疾患の死亡率が低いことが報告されています。

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多価不飽和脂肪酸

多価不飽和脂肪酸は炭素と炭素間の二重結合を2か所以上もつ脂肪酸のことを指します。

その位置によって「オメガ6脂肪酸」「オメガ3脂肪酸」に分類されます。

 

オメガ6系脂肪酸

オメガ6系脂肪酸には、リノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸などがあります。

これらの脂肪酸は、体内で作ることができないため必須脂肪酸といわれています。

コレステロールや血圧を下げる作用をもちます。一方、摂りすぎると善玉コレステロールまで減らしてしまいます。

リノール酸は、大豆油、コーン油、ごま油などに含まれます。

 

オメガ3系脂肪酸

オメガ3系脂肪酸には、αリノレン酸、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペタエン酸)があります。

αリノレン酸はがんや高血圧の予防効果を持ち、さらにアトピーなどのアレルギーを防ぐ効果も持ちます。

えごま油(しそ油)、亜麻仁油などに多く含まれます。

DHA、EPAは、余分なコレステロールや中性脂肪を減らす作用を持ちます。そのため、血管壁へのコレステロールや中性脂肪の吸着を抑制して血液をサラサラに保ちます。

また、カプサイシンやカフェインと同じように、脂肪を燃やす酵素の働きを高めて脂肪燃焼を促進する作用を持ちます。

イワシ、サバ、サンマなどの青背の魚やマグロなどに多く含まれています。

 

オメガ3系脂肪酸を摂る重要性と効率的な摂り方

これまで脂肪酸の様々な種類を紹介してきました。それぞれの特徴を大まかに把握していただけたでしょうか?

この中からどれを積極的に摂ってほしい油(脂質)について説明していきたいと思います。

注目するのは、コレステロールや中性脂肪を減らす働きをもつ「オメガ3系脂肪酸」です。

中性脂肪やコレステロールの血中濃度が高くなると、それらが原因で血栓と言われる血の塊のようなものができやすくなります。その血栓が血管でつまると、動脈硬化などを引き起こしてしまいます。

オメガ3系脂肪酸は、コレステロールや中性脂肪を減らしてくれる働きをもつため、動脈硬化を予防します。

イメージとしては、血液をサラサラにしてくれる油(脂質)です。また、がんや高血圧の予防、アトピーなどのアレルギーにも効果的であるといわれています。

他にも、うつ対策や記憶力アップなどの効能もわかってきており、近年注目されています。

しかし、オメガ3系脂肪酸のαリノレン酸、DHA、EPAは体内では作ることができません。そのため、必須脂肪酸に分類されており、食品から摂る必要があります。

必須脂肪酸とは、体内で合成できないために食品から摂取する必要がある脂肪酸のことです。

このように、体にとって良い働きをする「オメガ3系脂肪酸」は積極的に摂りたい油(脂質)となります。

 

オメガ3系脂肪酸を効率的に摂るには?

次にオメガ3系脂肪酸の摂り方を紹介していきます。

オメガ3系脂肪酸を多く含む食品は、えごま油(しそ油)、亜麻仁油、くるみ、青魚であるさんま、あじ、いわし、さばなどがあります。

 

えごま油(しそ油)・亜麻仁油・くるみ = αリノレン酸

オメガ3系脂肪酸のαリノレン酸はえごま油(しそ油)などから摂れます

オメガ3系脂肪酸は、酸化されやすい性質があります。特に、αリノレン酸は、光や熱にも弱いため、効率よく摂るには「生」で食べることです。

具体的には、亜麻仁油、えごま油などをサラダのドレッシング代わりにかけて食べるのがおススメです。

最近は、スーパーの油コーナーにも置いてあるので、手軽に手に入れることができます。

油だけでは味気がない場合は、塩などを少しふりかけてみるといいでしょう。

また、くるみは、おつまみや間食として食べてもいいでしょう。

気をつけたいのは、あくまでも油であるため、カロリーは高いです。そのため、摂りすぎると太ってしまうので、気をつけましょう。

目安としては、一日大さじ1杯ぐらいです。クルミは、あらかじめ食べる分を取り分けて食べると良いです。

また、先ほど説明したように、αリノレン酸は酸化しやすくデリケートな油であるので、保存方法にも気をつけましょう。

温度が高くなるコンロの近くには置かずに、冷蔵庫に保管するといいでしょう。

遮光性の容器などに入っている場合が多いと思いますが、気になる方はアルミホイルに包んだ箱などに入れるといいでしょう。

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さんま、あじ、いわし、さばなどの青魚 = DHA・EPA

オメガ3系脂肪酸のDHAとEPAは青魚を食べることで摂れます

青魚に多く含まれるDHAやEPAは、αリノレン酸に比べると熱には強いです。

脂部分に多く含まれるので、網焼きなどで脂を落とすより、お刺身や煮魚で食べるほうがムダなく摂ることができます。

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まとめ

これまで、油(脂質)について詳しく説明してきました。もう一度整理してみましょう。

「なるべく避けたい油」は、

飽和脂肪酸、特にマーガリンやショートニングに含まられるトランス脂肪酸

です。

一方、「積極的に摂りたい油」は、

亜麻仁油、えごま油、青魚に多く含まれるDHA・EPA、オメガ3系脂肪酸です。

効率的に摂る方法も踏まえ、上手に油を味方につけて、中性脂肪を減らし、健康な体を目指しましょう!

 

この記事を書いた管理栄養士さん

名前:あや
保有資格:管理栄養士
大学・大学院で生活習慣病について研究、卒業後は製薬会社に勤務。
栄養学に興味を持ち、管理栄養士資格を取得。
現在はダイエット・更年期向け向けの食事指導を行っている。

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