管理栄養士の中性脂肪対策食事講座

たまねぎが中性脂肪を下げる!?たまねぎ氷で中性脂肪対策

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たまねぎは色々な料理の脇役として使われている食材ですが、体に良い効能を持つ栄養素がたくさん含まれています。

たまねぎは、生、蒸、焼きなどそれぞれの調理方法によって味や食感が楽しめるのも魅力的です。

これから、たまねぎが持つ栄養素や食べ方について理解を深めていきましょう。

きっと読み終わると、たまねぎがさらに好きになり食べたくなるに違いありません。

 

たまねぎの栄養素・中性脂肪に良い成分は?

たまねぎに含まれるポリフェノールの一種、ケルセチン、グルタチオン酸に注目!

まずは、たまねぎが持つ栄養素について説明していきます。

注目はたまねぎに含まれるポリフェノールの一種、「ケルセチン」「グルタチオン酸」です。

 

ケルセチン

ケルセチンはポリフェノールの一種で、体にとって多くの良い働きをしてくれます。

  • 脂肪の吸収を抑制:脂肪を体外に排出し、腸に蓄積された脂肪を取り込んで、便と一緒に排泄する働きをします。
  • 血管の強化:認知症の予防効果があります。
  • 抗酸化作用:細胞を傷つける活性酸素の除去をしてくれます。
  • 抗ガン作用:特に胃がんや大腸がんの予防効果があります。
  • アレルギー症状の抑制:花粉症、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、ぜんそくなどのアレルギー症状を抑えることがわかっています。さらに、薬の抗ヒスタミン剤と同じような効果を持ち、炎症も抑えてくれます。

たまねぎに含まれるケルセチンには、脂肪の吸収を抑制する働きがあるので、これが中性脂肪を下げることに繋がりますね。

 

オリゴ糖

たまねぎを炒めたり、焼いたりして調理したときに感じる甘味成分はオリゴ糖によるものです。

甘味がありますが、ほとんど吸収されないため血糖値の上昇が少ないことが特徴です。

  • 腸内環境を整える:腸内細菌の善玉菌のエサになります。その結果、腸内環境が整い、便秘の予防や解消の効果があります。

さらに、腸がきれいになることで、吹き出物や鼻炎、花粉症などの症状が軽減されることも期待できます。

腸内環境を整えて、便秘の予防や解消に役立つことは、中性脂肪を下げることにもつながります。

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イソアリイン

イオウ化合物で辛味や刺激成分のひとつです。

たまねぎを切るとき涙が出ますよね。あの涙が出る原因になる成分です。

  • 新陳代謝を促進:血流がよくなり、代謝がアップします。そのため、冷え症の予防や疲労回復が期待できます。
  • 血栓予防:血栓とは血が固まったものです。イソアリインは血液を固まりにくくするので、動脈硬化の予防につながります。

代謝がアップして動脈硬化の予防につながるのであれば、中性脂肪が高い方は摂っておいた方が良い成分ですね。

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グルタチオン酸

グルタチオン酸はケルセチンと同じでポリフェノールの一種です。

  • 中性脂肪の分解・排出:中性脂肪を分解し、それを排出する働きをしてくれます。

中性脂肪を下げる働きがある成分ですね。

中性脂肪が低下すると血流がよくなり、代謝アップや動脈硬化を予防してくれます。

 

たまねぎの上手な摂り方

次にたまねぎの摂り方について説明していきます。

 

生で食べる

「生」で食べる場合は、サラダなどに入れると美味しく食べることができますね。

ただ、生で食べると、辛くて苦手という方も多いと思います。その対策としては、切り方です。

たまねぎの繊維は、上下に走っています。そのため、繊維を切断する方向つまり、横に切ると辛味が少なくなります。

これは、繊維を切断することで、イソアリインなどのイオウ化合物が抜けやすくなるためです。ぜひ試してみてください。

さらに、水にさらすと辛味はもっと少なくなりますが、それと同時に水溶性のイソアリインも一緒に流れてしまいます。

したがって、辛味が多少我慢できる方は、横に切って水にはさらさずに食べるほうが栄養素がしっかりと摂れます。

たまねぎを生で食べられるレシピ例

 

加熱して食べる

焼いたり、蒸したりと「加熱」すると、たまねぎの甘味を感じることができます。それは、熱によって細胞が壊れ、甘味成分がでてくるためです。

料理に甘味がほしいときは、加熱したたまねぎをプラスすると良いでしょう。

牛丼を作るとき、ゆっくり炒めたたまねぎがあれば、砂糖なしで、みりんと醤油の味付けだけで美味しい牛丼ができます。

時間のない方は、たまねぎのホイル焼きがおススメです。

たまねぎの皮はついたままアルミホイルに包んで250℃に予熱したオーブンで30分焼きます。

焼けたら、皮をむき、オリーブオイルと塩コショウにつけて召し上がってみてください。

たまねぎを加熱して食べるレシピ例

 

たまねぎ氷の作り方と利用法

ダイエットや健康効果があるとして話題になった「たまねぎ氷」。

管理栄養士の村上祥子さんの本や雑誌が出版されていて、本屋さんでもよく見かけますね。

毎日手軽にたまねぎを食べることができる方法として便利な「たまねぎ氷」の作り方や利用法などをご紹介していきます。

 

たまねぎ氷の作り方

準備するもの

たまねぎ:大3~小5個、ポリ袋、耐熱皿、ミキサー、製氷皿2枚、スプーンです。

 

作り方の手順

  1. 皮をむき、上を切り落とし、底にある芯を包丁でくりぬきます。
  2. たまねぎを20分電子レンジで加熱します。そのとき、たまねぎをポリ袋に入れて、必ずポリ袋の口は開けて、耐熱皿にのせてください。
  3. 加熱が終わったら、ポリ袋の中身をすべてミキサーに入れます。
  4. さらに水200mlを入れ、ピューレ状になるまで攪拌します。
  5. ピューレ状のたまねぎをスプーンで製氷皿に入れます。その後、ラップをして冷凍すれば出来上がりです。

ミキサーがないという方は、1.のあと、5㎜幅に薄切りしたたまねぎを耐熱皿にいれ、ラップをして電子レンジで10分加熱します。

粗熱をとった後、冷凍可能な保存袋にいれます。そのとき、袋の中の空気を抜き平らにして口を閉じると、取り出すときに必要量だけ折って使えます。

たまねぎ氷は2か月保存がきくので、作りおきしておくと便利です。

たまねぎ氷はいろいろな料理に入れて美味しく食べることができるので、これからたまねぎ氷を使った料理を紹介します。

 

たまねぎ氷の利用法

汁もの

みそ汁やスープに入れると簡単に食べることができます。たまねぎ氷をそのまま汁ものに入れて食べるだけです。

解凍が不要なので手軽に食べることができます。

 

おかず

たまねぎ氷50gにつき、電子レンジ1分で解凍できます。解凍したたまねぎ氷をハンバーグや餃子の具に入れることもできます。

たまねぎのみじん切りをいれるより時短にもなり簡単に作ることができます。

たまねぎの甘味を生かすのに、煮物や卵焼きに解凍したたまねぎを入れて作るのもおススメです。

煮物や煮浸しで使うときは、解凍したたまねぎ氷を醤油などの調味料と同じタイミングで入れればOKです。

 

ドレッシング

解凍したたまねぎ氷を市販品のドレッシングやたれと合わせるとグレードアップしたドレッシングやたれを作ることができます。

たまねぎ氷1つと焼き肉のたれ大さじ1で混ぜれば、濃厚な焼き肉のたれができます。

他にも、たまねぎ氷2個、マヨネーズ大さじ1、練りごま小さじ2を混ぜて、鶏のささみとキュウリにかければ棒々鶏ができます。

色々なでドレッシングやたれと合わせて自分に合ったオリジナルのドレッシングやたれを見つけてみると楽しいでしょう。

 

まとめ

今まで紹介したように、たまねぎはおいしいだけではなく、脂肪の吸収を抑え、中性脂肪の分解・排出の効果などをもつ野菜です。

また、たまねぎは比較的一年中手軽に購入できる野菜でもあるので、毎日の食事に取り入れていきたいですね。

忙しくて時間がない方も、保存ができるたまねぎ氷を上手に使って健康な体を作りましょう。

ちなみに、「オサカナスキヤネ」これは中性脂肪対策に取り入れた方が良い8種類の食品の頭文字をとったものです。

最後の「ネ」はネギ類のことで、これにはたまねぎも含まれています。ぜひこちらの記事もご覧ください。

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この記事を書いた管理栄養士さん

名前:あや
保有資格:管理栄養士
大学・大学院で生活習慣病について研究、卒業後は製薬会社に勤務。
栄養学に興味を持ち、管理栄養士資格を取得。
現在はダイエット・更年期向け向けの食事指導を行っている。

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