みなさんは普段どんな「油」をお使いでしょうか?
スーパーには、サラダ油、オリーブオイル、ごま油など色々な種類の油が置いてありますね。
特にサラダ油、オリーブオイル、ごま油の3つの油は馴染みがあって家庭で常備されている方も多いと思います。
そんな油の中でも、今注目されている油の一つとしてスーパーでもよく見かけるようになった油に「亜麻仁油(アマニ油)」があります。
亜麻仁油(アマニ油)が注目されている理由は、今日本人が不足しがちな「オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)」が多く含まれているからです。
油というと、カロリーが高いくて脂肪をつけたくない人には控えたい食材と思いがちです。
でも、きちんと選んで上手に摂ることによって健康な体を作るサポートをしてくれる食材です。
亜麻仁油は体に良い効能をたくさん持っている油です。特に効能の一つに中性脂肪や悪玉コレステロールを下げる働きがあります。
亜麻仁油が一体どんな油でなぜ中性脂肪対策におすすめなのか、亜麻仁油の選び方と上手な摂り方などを詳しく説明していきたいと思います。
亜麻仁油はオメガ3脂肪酸のα-リノレン酸
まず、亜麻仁油の特徴についてご説明します。
油は脂肪酸とグリセロールから構成されています。油の種類の違いは脂肪酸の構造の違いによって分類されます。
亜麻仁油の脂肪酸は、約50%以上は「オメガ3系脂肪酸」である「α-リノレン酸」になります。
α-リノレン酸は体内で合成できない脂肪酸であるため「必須脂肪酸」と呼ばれています。
必須脂肪酸は体内で作り出すことができないので、食材から摂る必要があります。
もう一つの必須脂肪酸には、リノール酸というオメガ6系脂肪酸があります。
こちらのリノール酸は大豆油やごま油などに多く含まれており、通常の食事をしていれば十分にオメガ6系脂肪酸は摂ることができます。
一方、オメガ3系脂肪酸は、亜麻仁油、しそ油、魚の脂に含まれていますが、こちらは不足しがちです。
厚生労働省は、オメガ6系脂肪酸とオメガ3系脂肪酸を4:1の割合で摂ると、生活習慣病の予防に効果的であると発表しています。
亜麻仁油に多く含まれるオメガ3脂肪酸の効能
では次に、亜麻仁油に多く含まれるオメガ3脂肪酸の効能について説明します。
オメガ3脂肪酸は、他の脂肪酸に比べて折れ曲がる構造を持っています。そのため、他の脂肪酸よりしなやかに動くことができます。
体内では血液をサラサラにしてくれる働きがあるというイメージを持ってもらうといいでしょう。
オメガ3脂肪酸は動脈硬化を予防することが知られています。
これは、オメガ3脂肪酸が中性脂肪やLDLコレステロールを低下させる働きをもつためです。
血の塊である血栓ができにくくなり、血管のつまりを起こしにくいのです。
動脈硬化を予防するということは、心疾患、脳血管疾患などの予防にもつながります。
その他にも、オメガ酸脂肪酸には、免疫機能を正常化、アレルギー炎症の抑制、脳細胞の活性などさまざまな体に良い効能を持つことが報告されています。
亜麻仁油の選び方
では、亜麻仁油の選び方について紹介していきます。
亜麻仁油は酸化しやすく、熱や光に弱いという特徴があります。
そのため、購入する際は「低温圧搾法(コールドプレス)」と書いてあるものを選ぶようにしましょう。
低温圧搾法(コールドプレス)は、原材料から油を抽出する際に、熱(60度以下)を加えずに、圧力をかけてオイルを搾り取る方法です。
先ほどご説明した通り、亜麻仁油は「熱に弱い」ので低温圧搾法で搾った油の方が品質的に良いものといえます。
また、低温で搾ることで栄養素やビタミンなどを壊さず、風味や栄養価も高い油になります。
ポイント
亜麻仁油を選ぶときは「低温圧搾法」で搾られたものがおすすめ!
亜麻仁油の保存方法
亜麻仁油は酸化しやすい油なので、保存方法にも気を付けましょう。
容器は「遮光瓶」で「小さい瓶」に入っているものがおススメです。空気に触れる部分が少ない状態で保存できるからです。
遮光瓶でない場合は、アルミホイルで巻いて光が当たらないようにしておくようにしましょう。
ポイント
- 「遮光瓶」で「小さい瓶」に入っているものを選ぶ
- 遮光瓶でない場合は、アルミホイルなどを巻いて遮光する
また、開封後は冷蔵庫に保存して、なるべく早く使いきるようにするといいでしょう。
劣化を判断するには、「魚のような匂い」がし始めたら劣化していると判断してください。
劣化したものは酸化した油であるため、活性酸素を発生させ細胞などを傷つけてしまいます。もったいないですが食べない方がいいでしょう。
ポイント
- 保存は冷蔵庫で!
- なるべく早く使い切ること
亜麻仁油の上手な摂り方
次に亜麻仁油の上手な摂り方についてご紹介します。
一日どれぐらい摂ればいいの?
亜麻仁油の約50%がオメガ3脂肪酸です。オメガ3脂肪酸の一日に摂る目安量は4~5グラム(小さじ1杯程度)と覚えておくといいでしょう。
ポイント
一日の摂取量のみゃすは4~5g(小さじ一杯程度)
どんな風に取るのがおすすめ?
先ほどもお伝えしたように、亜麻仁油は酸化しやすく熱や光に弱いです。
そのため、炒め物や揚げ物などの加熱料理の調理で使うのはおススメできません。
ドレッシングとして使う
一番簡単な食べ方としては、サラダのドレッシング代わりに亜麻仁油と塩をかけて召し上がることです。
もっと濃厚なドレッシングで食べたいときは、豆腐、味噌、ごま、亜麻仁油をブレンダ―などで混ぜ合わせると手作りの胡麻ドレッシングができあがります。
色んなものにかける
また、副菜の煮物、冷奴、納豆に亜麻仁油をかけて食べるのもいいでしょう。
その他には、スープやお味噌汁に食べる直前にかけて食べるのもおススメです。
ごはんやパスタにかけて使う例
主食であるごはんやパスタにも使うこともできます。
例えば、ご飯にふりかけと亜麻仁油を混ぜておにぎりを作れば、亜麻仁油おにぎりができます。
おにぎりが冷めてもお米がかたくなりにくいというメリットもついてきますので、ぜひ試してみてくださいね。
パスタの場合は、パスタを茹で終わる1分前に、えのき、まいたけ、しめじなどお好みのきのこ類をいれてください。
茹で終わったら、湯切りをして、明太子、亜麻仁油を入れて混ぜ合わせます。最後に細切りした大葉をトッピングすると、きのこの明太子パスタの出来上がりです。
このようにサラダ、汁もの、ご飯もの、麺料理などさまざまな料理で亜麻仁油を取り入れることができます。そのため、毎日飽きずに亜麻仁油を摂ることができます。
小分けパックの亜麻仁油を上手に活用する!
また、自炊する時間がなく外食が多い方には、小分けパックしてある亜麻仁油がおススメです。
持ち運びが便利であるため、外食のランチについているお味噌汁にかけてたり、コンビニのサラダのドレッシング代わりにかけるなどができるので、気軽に毎日摂ることができます。
まとめ
今まで、亜麻仁油について詳しく紹介してきました。
亜麻仁油は、中性脂肪や悪玉コレステロールを低下させる効能など、体に良い働きをもつ油であることがわかって頂けたかと思います。
注意すべきは、熱や光に弱く酸化しやすいことです。
「遮光すること」「早めに使い切ること」「加熱せず生で食べること」に注意して、効率よく亜麻仁油を摂りましょう。
亜麻仁油はクセが少ないので、主食、主菜、副菜などさまざまな料理にかけて食べることができます。
自分が好きな食べ方を探してみると楽しく取り入れることができると思います。
ただ、体に良い油と言って食べ過ぎるとカロリーオーバーになり肥満へつながりますので、適量を守ることは忘れないでくださいね。
多くのスーパーなどで購入できるので、ぜひ今日から亜麻仁油を食べる習慣を取り入れてみましょう。
この記事を書いた管理栄養士さん
名前:あや
保有資格:管理栄養士
大学・大学院で生活習慣病について研究、卒業後は製薬会社に勤務。
栄養学に興味を持ち、管理栄養士資格を取得。
現在はダイエット・更年期向け向けの食事指導を行っている。