管理栄養士の中性脂肪対策食事講座

中性脂肪を下げるにはどんな野菜がおすすめですか?

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皆さんは小さな頃から、「野菜は身体に良いからたくさん食べなさい」と言われてきませんでしたか?

そんなわけで野菜は「なんとなく」身体に良さそうで、「たくさん」食べないといけないなぁと思われる存在です。

でも、「なんとなく」では食べる動機になりませんし、「たくさん」ってどのくらい食べたら良いのかわかりませんよね。

「どんな風に」身体に良いのかがわかれば、「どんな」野菜を選べば良いのかもわかります。

「たくさん」ってどのくらいなのかにも、きちんとお答えしたいと思います。

 

野菜を摂りたいワケ

野菜から摂取できる栄養素は、ざっくり言うとビタミン・ミネラル・食物繊維。

いずれもエネルギーを出す役割は持たず、身体の調子を整えてくれたり、余分なものを排泄してくれたりする役割を果たします。

野菜にはいろいろな種類がありますから、できるだけ多くの種類を少しずつ食べることで、栄養素の偏りは少なくなり、また独自に含まれている機能性成分の効果も期待しやすくなるため、「野菜は身体に良いからたくさん食べなさい」となるわけです。

ちなみに繰り返し出てきている「たくさん」については、厚生労働省の「健康日本21(第二次)」で、目標量を1日350gと掲げられています。

350gの野菜を毎日食べようと思うと、相当意識が高くないと難しいのが現状。というわけで、多くの方でこの目標は達成されていません。

 

中性脂肪対策に摂りたい栄養素1 食物繊維

食物繊維は私たちの持つ消化酵素で消化することができないので、エネルギー源としての役割はほぼ期待できません。

つまりエネルギーの心配をせずにたくさん食べることができるということです。

水に溶けやすい性質を持つ「水溶性食物繊維」と、水に溶けない「不溶性食物繊維」に分けることができます。

 

水溶性食物繊維

水溶性食物繊維は、食品中の水分に溶けて粘性を持ち、余分なコレステロールを吸収したりブドウ糖の吸収を緩やかにしたりしながら消化管を移動していきます。

食べ物の移動は緩やかになり、急激な血糖値の上昇が抑えられます。消化に時間がかかれば、それだけ空腹を感じにくくなるという利点も持っています。

 

不溶性食物繊維

不溶性食物繊維は水に溶けず吸収することで膨れます。これが腸管の壁を刺激して便意をもよおすほか、便の形成にも役立ちます。

不溶性食物繊維が多いと、食べている時にはよく噛まないと咀嚼しきれないので、自然と噛む回数が増え、満腹感を得やすくしてくれます。

これにより早食いや過食が避けられるので、ダイエットに役立つほか、胃での滞留時間も長いので満腹感の持続にもつながります。

 

食物繊維を多く含む野菜

水溶性食物繊維、不溶性食物繊維ともにぜひ摂りたい食物繊維ですが、野菜では特に不溶性食物繊維が得意分野です。

中でもモロヘイヤ、枝豆、にら、ブロッコリー、かぼちゃ、だいこんなどが多く含有しています。

上手に利用したいのが切り干しだいこんやかんぴょうなどの乾物加工品。手軽に使えるうえ、干しても不溶性食物繊維が残存していますので、摂取が可能です。

また、一度に食べる量は少ないけれど、不溶性食物繊維の含有用が多いとうがらしやしょうが、しそなどといった薬味や香辛料として使うものを日々の食事でトッピングするのを習慣化すると、摂取量の増加に貢献してくれます。

水溶性食物繊維は、らっきょう、ごぼう、たまねぎ、オクラなどから摂取することができます。

食物繊維の総量で見ると、豆類の若さやで食べるグリンピースも有効です。

 

中性脂肪対策に摂りたい栄養素2 抗酸化栄養素

ビタミンA・ビタミンE・ビタミンCの3つは「ビタミンACE(エース)」などと呼ばれることもある抗酸化栄養素。

血中脂質バランスが悪い状態で心配される動脈硬化の予防には、抗酸化栄養素の力を利用しましょう。単独での摂取はもちろん、相乗効果も期待できます。いずれも野菜は得意分野。

ビタミンAは主にβ-カロテンとして含有されていて、私たちの体内で必要に応じてビタミンAに変換され、利用されます。

β-カロテンの多い野菜を「緑黄色野菜」としているので、ほうれんそう・にんじん・かぼちゃ・ブロッコリーなど色の濃い野菜は摂取に適しています。

ビタミンEを多く含む野菜の代表はかぼちゃ。そのほかモロヘイヤやアボカドなどにも多く含まれます。

ビタミンCを得意とするのは、「淡色野菜」と呼ばれるグループ。緑黄色野菜のようにβ-カロテンはあまり含有していませんが、ビタミンCが摂取できる色の薄い野菜のグループです。

キャベツやだいこん、きゅうりなどもしっかり食べましょう。緑黄色野菜に分類される野菜からもビタミンCを摂取することは可能です。

このようにして見てみると、やはり野菜は「いろいろな種類」を「まんべんなく」食べるのが適切だということがわかりますね。

 

摂取量に気をつけたい野菜

「野菜はたくさん食べましょう」「目安は1日350g」と言っても、野菜の中にも糖質が多めなものもあります。

イモ類は比較的食べやすく、食べる機会の多い食材ですが、これを野菜としてもし350gすべてをイモ類で摂取してしまうと、エネルギーが少々かさんでしまいます。
単純に計算してもじゃがいも350gは266kcalになります。

また今回たびたび名前の挙がっていた優秀野菜である「かぼちゃ」。色素が濃いのでβ-カロテンが豊富、ビタミンEもビタミンCだって摂取できます。

けれどホクホクした味わいと甘みはやはり糖質によるものですので、エネルギーも野菜の中では多め。上手に取り入れつつ、かぼちゃばかりに偏らない摂取も気をつけましょう。

とは言っても、これらのエネルギー値は野菜の中で比較すれば高めということにすぎません。

ついつい甘いものが食べたくなってお菓子を食べてしまうくらいなら、かぼちゃやさつまいもの甘さを楽しんだ方がエネルギー値は低いばかりか、ビタミン類や食物繊維の摂取にもつながります。

ですから、当然食べてはいけないなどということではないのです。

 

食物繊維・抗酸化栄養素が摂れる料理のレシピ

小豆かぼちゃ

小豆かぼちゃ

小豆に含まれるサポニンには、中性脂肪の生成を抑え、脂質の代謝を促す働きがあります。また、不溶性食物繊維も豊富です。

かぼちゃは緑黄色野菜で抗酸化作用があるβ-カロテンが豊富です。β-カロテンは活性酸素を抑える働きがあります。

<材料(作りやすい分量)>

  • かぼちゃ・・・・・300g(大きめに切る)
  • 小豆・・・・・1カップ(洗う)
  • 昆布・・・・・10センチ(細く切る)
  • 水・・・・・4カップ(圧力鍋のときは2.5カップ)
  • 塩・・・・・少々

<作り方>

  1. 小豆は洗って鍋に入れ、小さく切った昆布と一緒に煮る。
  2. 煮たってきたら弱火にして煮る。
    ※途中沸騰してきたら水を差し(ビックリ水)それを2~3回繰り返す
    ※小豆は指でつぶれる位になるまでゆっくりと煮る
  3. かぼちゃは種と芯を取り、3センチ角に切り塩をまぶしておく。
  4. 小豆とは別の鍋でかぼちゃを蒸し煮する。
  5. かぼちゃが煮えてきたら2.をかぼちゃにかぶせるように乗せ、コトコトと煮る。※混ぜない
  6. 全体が柔らかくなったら味を調えて、かぼちゃが崩れないように盛り付ける。

〔調理のコツ〕

※小豆を圧力釜で煮る時は、圧力鍋に小豆と昆布と2.5倍の水を入れ、沸騰したら、とろ火で15分加熱し10分蒸らす。

※かぼちゃは大きめに切った方が綺麗に仕上がる。

 

南瓜の塩こうじ煮

南瓜の塩こうじ煮

緑黄色野菜の代表ともいえる南瓜には免疫力を高めるβカロテンはもちろん、ビタミンEも豊富に含まれています。

これらは体の酸化を防ぎ、中性脂肪やコレステロールの増加による動脈硬化も防いでくれる働きがあります。

塩麹で南瓜本来の甘味を引き出す調理法です。

<材料(4人分)>

  • 南瓜・・・・・1/4個(400g)
  • 塩こうじ・・・大さじ1と1/2
  • みりん・・・・大さじ1
  • すりごま・・・適量

<作り方>

  1. かぼちゃは食べやすい大きさに切り、鍋に入れ塩こうじをまぶして10分ほどおく。水気が出てくればよい。
  2. 1.の鍋に水1/2カップ、みりんを入れ落し蓋をし中火で熱する。沸騰したら火を弱め10分煮る。蓋を開けて水分がなくなるまで煮る。

<栄養素(一人分あたり)>

エネルギー:116kcal
コレステロール:0mg
食物繊維:3.6g
脂質:0.9g
食塩:0.7g

 

長芋ときゅうりのとろろ昆布和え

長芋ときゅうりのとろろ昆布和え

長芋には消化酵素が豊富に含まれており、消化・吸収を助けコレステロールや中性脂肪の低下に役立ちます。
加熱によって酵素の働きが失われてしまうので、生で食べるのが効果的です。

長芋には不溶性食物繊維が含まれ、とろろ昆布には水溶性食物繊維が含まれています。
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のバランスは2:1が理想的だと言われています。

<材料(4人分)>

  • 長芋・・・・・・200g
  • きゅうり・・・・1本(100g)
  • とろろ昆布・・・6g
  • ポン酢しょうゆ・大さじ2
  • とろろ昆布・・・適量

<作り方>

  1. 長芋は皮をむきスティック状に切る。きゅうりも長芋と同様に切る。
  2. ボウルにとろろ昆布、1.とポン酢しょうゆを入れさっとあえ器に盛る。お好みで上からとろろ昆布をかける。

<栄養素(一人分あたり)>

エネルギー:43kcal
コレステロール:0mg
食物繊維:1.2g
脂質:0.2g
食塩:1.3g

 

セロリの浅漬け

セロリの浅漬け

セロリの茎には不溶性食物繊維が豊富に含まれており、体内の余分な脂肪を外へ出す働きをします。

1日の不溶性食物繊維と水溶性食物繊維は2:1が理想です。積極的に摂りたい食材です。

セロリの特徴である独特な香りには、40種類以上の成分が含まれストレスを和らげる効果もあります。

<材料(2人分)>

  • セロリ・・・1本(150g)
  • 調味料A
    砂糖・・・・小さじ1/2
    酢・・・・・小さじ1/2
    塩・・・・・少々
    鷹の爪(輪切り)・・少々
    昆布・・・・少々

<作り方>

  1. セロリの茎の部分は筋をピーラーで取り、ステック状に切る。葉の部分は食べやすい大きさに切る。
  2. ポリ袋にAを入れよく混ぜ合わせ、1.のセロリを入れよくもみ、袋の口を縛って冷蔵庫でしばらく漬ける。

<栄養素(一人分あたり)>

エネルギー:15kcal
コレステロール:0mg
食物繊維:1.3g
脂質:0.1g
食塩:0.7g

 

ブロッコリーの胡麻和え

ブロッコリーの胡麻和え

ブロッコリーには抗酸化力の高いβカロテンやビタミンCの他に、α-リノレン酸が含まれています。

α-リノレン酸は、体内に入るとDHAやEPAに変化するといった特徴を持っており、中性脂肪を抑える効果が期待できる食材です。

また、ごまに含まれるリグナンにも中性脂肪を抑える効果がありますので、一緒に摂ると相乗効果が期待できます。

<材料(4人分)>

  • ブロッコリー・・1/2房
  • 調味料A
    白すりごま・・・20g
    砂糖・・・・大さじ1/2
    みりん・・・大さじ1/2
    しょうゆ・・大さじ1/2

<作り方>

  1. ブロッコリーは花部分を小房に分け、茎の部分も筋を取って薄切りにする。
  2. 塩ゆでし、粗熱をとっておく。(茹でた後、水にさらすと味がぼやけるので水にはさらさないこと。)
  3. ボウルにAを合わせてよく混ぜ、1.を和える。

<栄養素(一人分あたり)>

エネルギー:66kcal
コレステロール:12mg
食物繊維:2.1g
脂質:2.6g
食塩:0.6g

 

切り干し大根の味噌汁

切り干し大根の味噌汁

切り干し大根には食物繊維が豊富に含まれています。

日本古来の発酵食品である味噌と組み合わせることによって、腸内細菌を増やし、余分な脂肪の排泄を促します。

水分が少ない分、カルシウム、カリウムや鉄分がぎゅっと詰まっている切り干し大根は、戻し汁も余さずに食べましょう。

<材料(4人分)>

  • 切り干し大根・・・40g
  • 木綿豆腐・・・・・1丁
  • だし汁・・・・600cc
  • 味噌・・・大さじ3と1/2
  • 小ねぎ・・・・・・適量

<作り方>

  1. 切干大根は水で洗い、水気を絞って食べやすく切る。豆腐は食べやすい大きさに切る。
  2. 鍋にだし汁を入れて煮立て、1.で切った切り干し大根と豆腐を入れ5分ほど煮る。
  3. 火を止め、味噌を溶き入れて椀に盛り、小ねぎを散らす。

<栄養素(一人分あたり)>

エネルギー:91kcal
コレステロール:0mg
食物繊維:2.6g
脂質:3.5g
食塩:2.6g

 

まとめ

「何を食べたら良いか教えてほしい」とご要望の方へは、少々つまらない返答になってしまうのですが、野菜について私の意見は「いろいろなものをまんべんなく楽しむのがイチバン」というものです。

野菜には旬もありますし、料理方法も多岐にわたって楽しめます。食事を楽しみながらお腹を満たすには、野菜は適した食材です。

中性脂肪を減らしたいからと言って、無理に食事を制限してしまうのでは苦痛ですよね。

栄養素の面からはもちろん食卓を華やかにする存在としても、ぜひいろいろな旬の野菜を活用してください。

 

この記事を書いた管理栄養士さん

名前:Chika
保有資格:管理栄養士
フリーの管理栄養士。食関連資格の教材作成や専門学校講師などの仕事をしています。

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