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中性脂肪を下げたい方に「グリーンナッツオイル」がおすすめな理由

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グリーンナッツオイルという油をご存知でしょうか?

別名「インカインチオイル」や「サチャインチオイル」とも呼ばれています。どれも同じ原料からできている油になります。

最近、亜麻仁油えごま油などが体に良い油であると話題になっていますが、グリーンナッツオイルも体に良い働きを持つ油の一つとして知られており注目されています。

グリーンナッツオイルは、必須脂肪酸であるα-リノレン酸、リノール酸を多く含み、また抗酸化作用をもつビタミンEも豊富に含んでいます。

特に、ビタミンEの含有量は他の植物油の中でも非常に多く含まれているため、酸化に強い油であるのも特徴の1つです。

それでは、グリーンナッツオイルの栄養素や特徴について説明し、扱い方やおススメの摂り方についてもご紹介していきたいと思います。

 

グリーンナッツオイルの栄養素

グリーンナッツオイルは、アマゾンの熱帯雨林に昔から生息しているグリーンナッツを圧搾することで作られます。

食用油としては、日本では約7年前からの新しい油となります。

味はあっさりとしていて、食感はさらっとしているので、くちあたりがよく、食べやすい油となります。

では、グリーンナッツオイルの栄養素の特徴について説明していきます。

 

α-リノレン酸が多い

グリーンナッツオイルの1つめ目の特徴としては、α-リノレン酸を多く含むことです。

グリーンナッツオイルの脂肪酸構成の割合は、50%が体内で作ることができない必須脂肪酸であるα-リノレン酸が占めています。

さらに残りの30%はリノール酸であり、約80%が必須脂肪酸で占められていることになります。

ちなみに、必須脂肪酸は、体内で作ることができないため、食べ物から摂る必要がある脂肪酸のことでしたね。

α-リノレン酸は、細胞の中で脂肪を燃焼させるペルオキシソームという器官に働きかけて、脂肪の燃焼を促進させます。

また、α-リノレン酸は、体内に入ると酵素によって、一部がEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン)に変換されて利用されます。

EPAやDHAは魚油に多く含まれていますが、最近、日本人の食事は欧米化しており、魚を食べる量が減っているためEPAやDHAは不足しがちです。

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α-リノレン酸、DHA、EPAはオメガ3系脂肪酸に分類され、これらは体にとって良い効能をたくさん持っています。

例えば、血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールを減らしてくれます。

血栓(血の塊のようなもの)をできにくくするため、動脈硬化の予防にもなります。

さらには、炎症を抑えてくれるため、血液の循環がよくなり代謝もスムーズになります。

また、アレルギー症状を抑えてくれるため、花粉症の方にも効果が期待できます。

 

ビタミンEが多い

グリーンナッツオイルの特徴の2つ目は、ビタミンEの含有量が多いことです。

ビタミンEは強力な抗酸化作用を持ちます。

ヒトは呼吸をすることで酸素を取り入れて、一部から活性酸素が発生し、体内の物質を酸化させます。

特に、細胞膜の構成成分である脂肪酸が酸化して過酸化脂質に変化すると、細胞が壊れて老化やがんの原因になります。

 

また、中性脂肪が高い方は悪玉コレステロールであるLDL-コレステロールが高い傾向がみられます。

参考:中性脂肪とコレステロールの関係

このLDLコレステロールは酸化されると酸化LDLコレステロールに変化して血管壁に付着して血管を狭めてしまい、動脈硬化を引き起こす原因となります。

ビタミンEの抗酸化作用は、今あげたような脂肪酸やLDLコレステロールの酸化を防いでくれる働きがあります。

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また、毛細血管を広げて、血行を促す作用もあるため、新陳代謝の促進にも効果があります。

さらに、オメガ3系脂肪酸は通常熱によって酸化しやすい特徴をもっていますが、ビタミンEを多く含むグリーンナッツオイルは熱による酸化に比較的強いとされています。

そのため、短時間であれば加熱が可能であり、他のオメガ3系脂肪酸の油よりも調理で使いやすいのも魅力の一つになります。

 

グリーンナッツオイルの効率のよい摂り方

では次に、グリーンナッツオイルの効率のよい摂り方について紹介していきます。

通常、α-リノレン酸を含む油は酸化されやすいため、管理や摂取の仕方に配慮が必要なものが多いです。

しかし、グリーンナッツオイルは熱による酸化がおきにくいため、冷暗所に保存しておけば普通の油と同じ感覚で扱うことができます。

香りはレタスのような香りがします。

そのため、葉物野菜を使ったサラダ、ピクルス、マリネ、そしてカルパッチョなどの生の魚介類を使った料理に使うのがおススメです。

また、柑橘類、セロリ、ヨーグルトとの相性が良いです。

特に柑橘類は、ビタミンEの抗酸化力をさらに高めてくれるビタミンCを多く含んでいるため、特におススメの食材となります。

 

柑橘類を使った料理の一例として「カルパッチョ」をご紹介します。

お刺身用の鯛、グレープフルール、赤玉ねぎを食べやすい大きさに切りお皿に並べます。

その上に、マスタード、塩、酢、コショウ、グリーンナッツオイルを混ぜたドレッシングを回しかけるとカルパッチョができあがります。

見た目もおしゃれであるため、おもてなし料理の一品としてもおススメです。

 

他にも、レモンマヨネーズを作るときの材料としても使えます。

作り方は、グリーンナッツオイル、卵、酢、砂糖、塩、コショウをブレンダ―で混ぜれば出来上がりです。

ドレッシングが違うだけで、いつもとは違うサラダを楽しむことができますので、いつものサラダが飽きてきたなぁって時に試してみて下さい。

 

また、意外にもヨーグルトにはちみつとグリーンナッツオイルをかけると美味しくいただけます。

かけるだけなので、毎日続けやすいのも良い点ですね。

 

まとめ

グリーンナッツオイルの魅力をご紹介してきました。

グリーンナッツオイルの栄養素の特徴としては、必須脂肪酸であるα-リノレン酸、抗酸化力を持つビタミンEを多く含むことでしたね。

この特徴は、血液の中性脂肪を低下させたり、中性脂肪が高い方にとってリスクが高い動脈硬化の予防効果が期待できます。

また、グリーンナッツオイルは、ビタミンEを多く含むことによって熱による酸化が起きにくいため、加熱調理でも使えることも魅力の一つでした。

食べ合わせのポイントは、ビタミンCを多く含む食品と一緒に摂ることで抗酸化作用の効果アップが期待できることです。

このように魅力をたくさん持つグリーンナッツオイル。

中性脂肪対策として食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

この記事を書いた管理栄養士さん

名前:あや
保有資格:管理栄養士
大学・大学院で生活習慣病について研究、卒業後は製薬会社に勤務。
栄養学に興味を持ち、管理栄養士資格を取得。
現在はダイエット・更年期向け向けの食事指導を行っている。

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