朝ごはんをきちんと召し上がっているでしょうか。朝ごはんは食べた方が良い、ということはさまざまな場面で啓蒙されています。
その効果は、例えば胃腸の働きを活発にするといったことや、脳を目覚めさす、1日のエネルギーチャージといったものまで数多くあります。
「朝ごはんを食べましょう」ということは小学生の頃から言われていながら、朝食の欠食率の高さは依然として問題となっています。
朝食を摂ることが中性脂肪値の改善にも役立つ理由をご紹介しますので、できることからトライして、まずは朝食習慣を身につけましょう!
朝食を食べないのはは過食のもと
私たちの身体には体内時計というものが存在していて、1日の周期リズムを司っています。
体脂肪についてみてみると、午前中に分解が高くなり、夜間には合成が高まるというリズムになっています。
朝食でしたら多少過食しても食後のエネルギー消費が活発ですが、遅い時間の食事では消費が十分できません。
朝食を欠食すると食事回数が減ってしまいますし、朝食を摂るパターンと比較して、夜間に近い時間で多く食べ物を摂取することになります。
そして、食事回数が減ると1度に食べる量はどうしても増えてしまいます。
食事を摂取できなかった時間を埋めようと早食いをしてしまえば、満腹中枢の働きも鈍くなり、過食傾向にもなりがちです。
このように、朝食には1日のスタートからリズムを整えてくれる、大切な役割があるのです。
ですから、まずはどんなものでも良いので毎日朝食を摂る習慣をつけること。
その習慣ができあがれば、その次により理想的な朝食とは何かを模索していくことができます。
朝食に摂りたい栄養素と食品の具体例
たんぱく質を摂るコツ
朝食に限らず、毎食摂りたい栄養素は「たんぱく質」です。
昼食や夕食は主菜をしっかり摂れることも多いと思いますが、朝食では手間をかけずに習慣化できるような食材が良いでしょう。
例えば、ヨーグルトやチーズといった乳製品。
カルシウムの補給にも乳製品はきちんと摂取したいもの。朝食に毎日食べるものを決めておくと便利です。
血中脂質バランスを保つのに効果的なEPAやDHAを含む青魚も、朝からはなかなかメニューに取り入れづらいかもしれません。
オススメなのはサバ缶やツナ缶のような缶詰類。
卵と混ぜても良いですし、サラダの具材にもできます。常備しやすい点も便利ですね。
就寝前に食べることがオススメの納豆も、毎日の習慣にできないのであれば朝ごはんのラインナップに加えて食べる習慣をつけるのも一つの方法です。
ナットウキナーゼが血栓を予防してくれる効果が期待できますので、日々の食事にぜひ取り入れてください。
朝食に簡単にたんぱく質を摂るなら
- ヨーグルト
- チーズ
- サバ缶
- ツナ缶
- 納豆
エネルギー源の炭水化物を主食で摂る
エネルギー摂取という点では、主食で摂る「炭水化物」は外せません。
朝はパン食の方も多いと思いますが、注意点が一つ。
食べやすいからと菓子パン類を召し上がる方もいらっしゃるかもしれませんが、菓子パンはあまりオススメできません。
私たちの身体は寝ている間もエネルギーを消費しています。就寝前から朝食までの時間は何も口にできないので、身体はエネルギーが枯渇している状態。
そのようなときに急激に血糖値を上げるような食べ方は身体への負担が大きいのです。
パン食の方は全粒粉のパンがオススメ。食物繊維が多いので血糖値の上昇は菓子パンに比べると緩やか。しっかり噛んで食べることができる点も向いています。
ごはん派の方は玄米や雑穀米が適しています。
朝食で摂るおすすめの炭水化物
・パン派の方 → 全粒粉のパン
・ごはん派の方 → 玄米や雑穀米
*血糖値が上がりにくい食品を選ぶのがポイント!
食物繊維量も朝からしっかり
「食物繊維」はできるだけしっかり摂りたい栄養素。そのためには野菜を1日350グラム摂取すると良いとされています。
野菜350グラムは多くの方が摂取できていないのが現状。
小鉢で考えるとだいたい5皿分になるわけですので、1日3食で毎食野菜を摂取していなければ不足してしまうのも当然でしょう。
朝食で手軽に食物繊維を摂るなら、サラダやスープの具材に入れることで野菜を摂りましょう。
またこれら食物繊維が豊富な食材は、パンやご飯といった糖質の多い食材よりも先に食べることで血糖値の上昇が緩やかになることが知られています。
食べる順序としても、まずはサラダやスープから食べ始めるようにしましょう。
朝食で食物繊維を摂るには
サラダやスープでたっぷり野菜を摂る
朝食からDHA・EPAを上手に取り入れるコツ
中性脂肪対策に摂りたいDHA・EPAも、サバ缶やツナ缶をサラダに混ぜてしまえば難なく摂取できます。
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サラダに使うマヨネーズやドレッシングにも気を配りましょう。
「亜麻仁油」や「エゴマ油」にはn-3系多価不飽和脂肪酸のDHA・EPAが含まれています。
できれば「亜麻仁油」や「エゴマ油」を使ったものにするとより良いでしょう。
これらの油は酸化しやすい点が難点ですので、火を通したり調理後に時間を置いたりせず、食べる直前のサラダにひとたらしするのが上手な食べ方です。
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朝食にスムージーってどうなの?
朝ごはんはスムージーを作っているという方もおられますね。
食欲がないときにも不足しがちな野菜を補給できるので悪くはないのですが、心配なこともいくつか。
まずは身体を冷やしていないかということ。
あまり冷たいものを一気に飲むのはオススメできません。身体が冷えるということは代謝も鈍くなるということです。
また噛むということも大切なので、毎日スムージーのみという朝食ではなく、不足しがちな食材を補ったり、気分転換にメニューの一つに加えたりするような気持ちで利用しましょう。
そんな時、少し意識していただきたいのが果物。
果物は中性脂肪を溜めやすいから食べるなとおっしゃる方もおられますが、食べ過ぎはもちろん良くないものの、1日200グラム程度は召し上がっていただきたい食品です。
最近、以下のような記事も発表されました。
果物に「甘いから太る」「血糖値を上げる」「中性脂肪を増やす」というイメージがあったら、それは誤解です。最新の研究で、むしろ果物を食べたほうが肥満や高血糖、動脈硬化を改善することがわかってきました。
果物は肥満、高血糖、動脈硬化を改善するhttps://t.co/Btk4WMsUWF pic.twitter.com/B9kkAKlG8y— 毎日新聞 医療プレミア (@med_premier) 2018年7月22日
果物からは、水溶性食物繊維やビタミン類が摂取できます。
そして果物を食べるなら朝が向いています。中性脂肪の蓄積が気になるのであればなおさら朝がオススメ。日中の活動が活発であれば蓄積せずに消費されます。
スムージー作りで余分な糖類を加えてしまわぬよう、甘さは果物で調節すればエネルギーを抑えながらビタミンや食物繊維が補給できて一石二鳥です。
まとめ
タイミングって大切ですよね。どんなことにもあてはまることかもしれませんが、もちろん日々の食事にもタイミングって大切なのです。
朝食を食べるタイミング一つで1日のリズムが決まるのですから!
それに食材にだって、食べるのに適したタイミングがあります。
果物を食べるなら朝がベストタイミングですし、毎日習慣化して食べたい食材は朝ごはんのラインナップに入れてしまえばタイミングを逃しません。
すてきな1日のスタートを切れるように、ぜひ朝ごはんを活用してください。
この記事を書いた管理栄養士さん
名前:Chika
保有資格:管理栄養士
フリーの管理栄養士。食関連資格の教材作成や専門学校講師などの仕事をしています。