運動をした方がいいのはわかっているけど・・・「運動」と聞くと、大変そう、苦しそうと思ってやる気が起こらない方はいませんか?
中性脂肪を下げるために行う運動は、毎日ジムで走ったり、激しい筋トレをしなくても大丈夫です。
はじめは、日常生活の中で少し動く量を増やす意識を持つことだけもOKです。
これから、中性脂肪を下げるための運動のポイントを一緒にみていきましょう。
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なぜ中性脂肪を下げるには運動が必要なのか?
こちらの記事でご説明した通り、中性脂肪を下げるには、内臓脂肪を減らすことが大切です。
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中性脂肪を下げるには何をすべき?中性脂肪を減らすために必要な3つのこと
「中性脂肪の数値が高いけどどうすればいいの?」「中性脂肪を下げるにはどうしたらいいの?」と悩んでしまう人もいますよね。 中性脂肪が高いのなら、脂肪というイメージから油の食べる量を減らせばいいのかなと思 ...
内臓脂肪は、皮下脂肪と比べるとたまりやすいが、一方で減らしやすいのが特徴になります。
そのため、消費エネルギーが摂取エネルギーを上回る生活を続けると、まずは内臓脂肪から減っていきます。
もしかして、動くことが苦手だからという理由で、食事制限だけで摂取エネルギーを減らそうと思っていませんか?
それだけでも、中性脂肪を一時的に下げることはできるかもしれません。
しかし、長い目で見ると、食事制限だけでは筋肉まで落ちて、逆に太りやすい体になってしまう人もいます。
そのため、食生活の改善に加えて運動を取り入れることで、効率よく中性脂肪を下げることができます。
運動するとたくさんのメリットがあります。
例えば、運動することで血流がよくなり、中性脂肪を分解する酵素の働きが活発になります。そのため、脂肪を効率よく燃焼してくれます。
さらには、ストレス解消になる、睡眠の質が上がるといった効果も期待できます。
運動の効果を実感しはじめるとさらに楽しくなり、無理なく続けることができます。
まずは生活の中の活動量を増やそう
運動とは、「からだを動かすこと」です。時間を作って激しくスポーツをすることだけはありません。
日常生活で、体を動かしますよね?!工夫次第で日常生活に、まだまだ体を動かす機会を増やすことができます。
特に、運動する時間なんてない!という方は、生活する中で活動量を増す工夫をしてみましょう。
自宅でできること
家にいるときでも、体を動かす機会はたくさんあります。掃除をテキパキとしてみる、歯磨きをしている間は、つま先立ちをしてみるなど・・・
いつもしていることに少し体に負荷をかけることはできないか考えて取り入れてみましょう。
外出先でできること
階段とエスカレーターがどちらもあった場合、あなたはどちらを選びますか?ついエスカレーターに乗っていませんか?
エスカレーターを使わず、階段を使うだけで消費エネルギーを上げることができます!
また、通勤や買い物に行くときの手段として、歩きや自転車を取り入れることができないか一度考えてみましょう。
会社でできること
デスクワークの人は、特に動く機会が少ないと思います。休憩のたびに、座ったまま、伸びをしたり、体をひねったりしてみましょう。
また、トイレに行った時は、簡単な体操やストレッチをすることを習慣にするのも良いでしょう。気分転換にもなり、仕事もより集中できるようになります。
有酸素運動を取り入れよう
運動には「有酸素運動」と「無酸素運動」があります。
有酸素運動とは、呼吸をして体内に酸素を取り入れながらする運動のことです。
筋肉を使うエネルギーは、酸素とブドウ糖や脂肪(遊離脂肪酸)を材料にして作られます。
遊離脂肪酸とは中性脂肪が分解したものです。そのため、運動すると遊離脂肪酸が使われて中性脂肪が減少します。
その他にも、運動することで善玉コレステロールであるHDLコレステロールが増加したり、血糖値も安定してきます。
有酸素運動はゆっくりとエネルギーを消費するため、長い時間続けやすいのもおススメのポイントになります。
どんな有酸素運動をどれぐらいやればいい?
有酸素運動をするためには、具体的にどのような運動をしたらよいのでしょうか。
一般的に有酸素運動と言われているのが、ウォーキング、ジョギング、水泳、自転車などがあげられます。
その中でも手軽に始めることができるのが、ウォーキングです。ウォーキングは、足腰や膝に負担が少ないのも良いですね。そのため、運動不足の方にもおススメです。
歩く速さは、いつもなんとなく歩いている時よりも「少し速く」を意識しましょう。人としゃべることができ、少し汗ばむ程度が効果的です。
時間は1日30分程度を目標にするのが良いでしょう。連続で30分歩くことができない人は、10分を3回に分けてもOKです。歩数の目安は1日8000~10000歩が良いと言われています。
最近は、スマホに歩数をカウントしてくれる機能がついているようです。毎日、どれぐらい歩いたのか確認することで、やる気にもつながります。
ウォーキングに慣れて新しい運動を取り入れたい方は、ジョギングや水泳などを取り入れてみましょう。
筋トレを取り入れよう
筋肉を鍛えるメリットとは何でしょうか。それは、「基礎代謝量」を上げることです。
基礎代謝量は、横になっていても呼吸や内臓の働きによって使われるエネルギーのことです。
基礎代謝量は、年齢とともに低下していきます。そのため、同じ生活をしていても年々太りやすくなっていくのです。
基礎代謝量の多くは筋肉によって消費されています。そのため、筋肉を鍛えて筋肉量を増やすことで、基礎代謝を上げることができます。
筋肉を鍛えるためには筋トレがおススメです。筋トレには、腹筋、背筋、腕立て伏せ、スクワットなどがあります。
また、最近よく聞く「体幹トレーニング」もおススメです。体幹は、体を支える大きな筋肉であるため、体幹を鍛えることで筋肉量も大きく増加させることが期待できます。
筋トレの基本的なポイント
10回以上連続で行う
同じ筋肉に繰り返し負荷をかけることで効果があります。
鍛える筋肉を意識して行う
なんとなくやっているだけは、効果がありません。今この筋肉が鍛えられていると意識しながら行いましょう。
腹筋など触れることができる筋肉は、触って確かめながら行うのも良いですね!
ゆっくり、呼吸をしながら行う
筋トレは、ゆっくりと、鍛えている筋肉を意識しながら行うほど、効果があります。早く回数をたくさんするのではなく、回数は少なくてもゆっくりと筋肉に負荷をかけていきましょう。
また、呼吸を止めると血圧が上がりやすく危険です。「ゆっくりと息を吐いて、深く吸う」ことを意識しながら、行うようにしましょう。
ストレッチを取り入れよう
毎日ストレッチする習慣はありますか?
ストレッチすることで、体の柔軟性をアップすることができ可動域が広がります。可動域が広がることで、大きく動くことができます。
同じ運動をしていても、大きく動く方が筋肉をたくさん使うことができるので脂肪燃焼につながります。
また、運動をする人は特にストレッチが大切になります。
運動する前のストレッチは、筋肉や関節を伸ばすことでケガの予防になります。運動後のストレッチは、疲れた体を早く回復させる効果があります。
ストレッチを習慣づけるためには、寝る前などストレッチをする時間帯を決めると良いですね。
ストレッチは、リラックス効果もあるので、質のよい睡眠にもつながりやすいです。
ストレッチの基本的なポイント
ゆっくり呼吸をしながらする
筋トレと一緒で、呼吸を止めて行うと血圧が上昇しやすくなります。ゆっくりと自分のペースで深い呼吸をしながら行いましょう。
伸ばしている筋肉を意識する
これも筋トレと同じです。形だけストレッチをしても意味がありません。筋肉が伸びていることを感じながら、丁寧に行うことを心がけましょう。
反動をつけず、20秒以上を目安にする
ストレッチは筋肉を鍛えているわけではありません。無理に反動をつけて行うと、逆に筋肉が硬くなってしまいます。心地よいと感じる範囲で行いましょう。
まとめ
何か一つでも運動をはじめてみようかなと思っていただけたでしょうか。
運動することで、中性脂肪を下げる効果はもちろん、他のメリットもありましたね。
まずは、今までよりも数十歩からでもいいので、活動量を増やすことを意識してみましょう。
毎日の少しずつの積み重ねが中性脂肪の減少につながります。
1人では続ける自信がないという方は、家族や友人を誘って一緒にはじめてみるのも良いかもしれませんね!
◆参考文献◆
- 「よくわかる中性脂肪」 栗原毅 ㈱学習研究社 2009
- 「最新版 本気で治したい人のメタボリックシンドローム」 宮崎滋 ㈱学研パブリッシング 2013
- 「患者のための最新医学 脂質異常症 最新の食事療法」寺本民生 高橋書店 2016
この記事を書いた人
保有資格:管理栄養士
大学・大学院で生活習慣病について研究、卒業後は製薬会社に勤務。
栄養学に興味を持ち、管理栄養士資格を取得。
現在はダイエット向けの食事指導を行っている。