「中性脂肪の数値が高いけどどうすればいいの?」「中性脂肪を下げるにはどうしたらいいの?」と悩んでしまう人もいますよね。
中性脂肪が高いのなら、脂肪というイメージから油の食べる量を減らせばいいのかなと思っている人もいるのではないでしょうか?
今回は中性脂肪を下げるには具体的にどのようなことをすればよいのか、「中性脂肪を減らすために必要な3つのこと」と、そのポイントをお伝えしていきます。
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中性脂肪を下げるには内臓脂肪を減らしましょう
パッと見た感じではあまり太っているように見えないけど、お腹だけポッコリしている人はいませんか?
その方は、リンゴ型肥満に分類される「内臓脂肪型肥満」の可能性が高いです。
臓器の周りに脂肪がついている内臓脂肪型肥満は、脂質異常、高血圧、高血糖などを引き起こします。
その状態を放置しておくとさらに動脈硬化が進み、心血管疾患、脳血管疾患など重大な病気になりやすいのです。
脂肪細胞に蓄積された中性脂肪は、分解されると「遊離脂肪酸」が生成します。その遊離脂肪酸は肝臓に運ばれ、中性脂肪を作る原料となります。
内臓脂肪が多いと中性脂肪の合成が進み、中性脂肪が高くなってしまいます。
中性脂肪下げるには、まず「内臓脂肪を減らす」ことが重要です!
中性脂肪を減らすために必要な3つのこと
中性脂肪を下げるためには、内臓脂肪を減らすことが大切だということは理解していただけたと思います。
では、なぜ内臓脂肪がたまってしまうのでしょうか?
その答えは単純です。「消費エネルギーよりも摂取エネルギーが上回っている」からです。
内臓脂肪を減らすためには、摂取エネルギーを抑え、さらに消費エネルギーを高くして「摂取エネルギー<消費エネルギー」となるようにすればよいのです!
摂取エネルギーは、食べ物の量や内容によって決まります。また、ストレスなども関係してきます。
そのため、摂取エネルギーを抑えるためには「食生活(食事)の見直し」、「生活習慣の見直し」が必要になります。
一方、消費エネルギーは、基礎代謝量、運動などによって決まります。消費エネルギーを上げるためには、「運動」「生活習慣の見直し」が必要になってきます。
以上のことをまとめると、中性脂肪を下げるためには、「食生活(食事)の見直し」「運動」「生活習慣の見直し」の3つが必要となります。
中性脂肪を減らすために必要な3つのこと
- 食生活(食事)の見直し
- 運動
- 生活習慣の見直し
これから、この3つについて説明していきますね。
食生活(食事)を見直して改善しましょう
食事量の適正化
「あなたは、食べ過ぎていませんか?」と聞かれたときどう答えますか?
食べ過ぎた自覚はないけど、いつの間にかお腹に脂肪がついていたという経験もあると思います。
現代は、食べたいと思えばすぐ食べ物が手に入ってしまう飽食の時代です。だからこそ、自分で食べる量を管理しないといつの間にか太ってしまったということになりやすいのです。
自分の食事を管理をするために、まずは自分の1日に消費するエネルギーを把握しておきましょう。
(1日に消費するエネルギー/kcal)=(標準体重/kg)×(活動に合わせた必要なエネルギー量/kcal/kg)
※標準体重=(身長/m)×(身長/m)×22
※活動に合わせた必要なエネルギー量:室内(家事、デスクワーク):25~30kcal、立ち仕事など:30~35kcal、重労働:35kcal~
理論的には、上記で求めた計算式で出した消費エネルギーの範囲で食べることで、体重を維持または減少することができます。
自分がどれくらい食べているのか知るためにも、1日の食事を記録してみたり、商品を手に取ったらエネルギー量を確認する習慣をつけましょう。
食事の内容
先ほど求めた「1日に消費するエネルギー」以内であれば、何を食べてもいいのかと言われると「No」です。
理想は「バランスのよい食事」です。「バランスの良い食事」って何?と思われた方もいると思います。
バランスの良い食事とは、主食(炭水化物)、主菜(たんぱく質)、副菜(ビタミン、ミネラルなど)の3点を意識した食事です。
炭水化物は、米、パン、パスタなど。主菜は、肉、魚、大豆など。副菜は、野菜、海藻類など。
特に不足しがちで、意識して摂りたいのは副菜です。ビタミン、ミネラルは、主食や主菜をエネルギーとして利用するために重要な働きを持ちます。
そのため、ビタミンやミネラルを含む野菜類が不足すると、食べたものが上手くエネルギーとして使われず、脂肪として体に蓄積してしまいます。
まずは、毎食、野菜や海藻類などを一品以上摂るように意識することからはじめてみましょう。
食事の時間、食べ方
夜遅くに食事をすると、太りやすいと知っている方は多いと思います。
なぜ、夜の遅い時間に食べると太るのでしょうか。それは、「BMAL1(ビーマルワン)」というホルモンが鍵を握っています。
BMAL1は、食べたものを脂肪として蓄える働きを持っています。BMAL1は22時~2時の間に増加します。そのため、22時~2時に食べると、より脂肪が溜まりやすいです。
仕事などでどうしても夕食が遅い時間になる人は、「よく噛んで食べる」ことも意識してみてください。
よく噛んで食べると、満腹中枢が働きやすく、食べ過ぎ防止につながります。目標は1口20~30回です。
まずは、「夜遅い時間の食事を控える」「よく噛んで食べる」ことからはじめてみましょう。
運動をしましょう
食事だけで内臓脂肪を減らそうとすると、ストレスを感じたり、筋肉量が減ってリバウンドしやすくなります。
そこで、運動をして消費エネルギーをあげてみましょう。
運動と聞くと「辛い、苦しい」というイメージがあると思います。でも実は、日常生活で少し工夫をするだけでも、運動を取り入れることができます。
これから、中性脂肪を下げるために効果的な運動を3つ紹介していきます。
日常生活で動く時間を増やす
掃除をするときに1つ1つの動作を大きくしてみたり、エスカレーターを使わずに、階段を使うなど、生活する中で余分に動くことができないか考えて取り入れてみましょう。
有酸素運動
酸素を取り入れながら、ゆっくりとエネルギーを使う運動です。そのため、長い時間続けることができます。
具体的には、ウォーキング、ジョギング、自転車、水泳などがあります。
筋トレ
筋肉量を増やすことで、基礎代謝量を上げることができます。マシーンを使わなくても、家でスクワットをするだけでもOKです。
自分でどこの筋肉を鍛えているのか意識しながら、ゆっくりと行うことがポイントです。
生活習慣を見直して改善しましょう
あなたは良い生活習慣をしていると胸を張って言えますか?
乱れた生活習慣と分かっていても、毎日当たり前のよう過ごしているといつの間にか習慣化されてしまいます。
生活習慣の乱れは中性脂肪を増やす原因となります。ですから、中性脂肪を減らすためには生活習慣を正すことが必要です。
まずは、自分の生活習慣を一度振り返ってみましょう。そして、中性脂肪を減らす生活習慣にシフトしていきましょう!
【生活習慣チェック】
自分の生活習慣を振り返りながら、当てはまる項目が何個あるか確認してみましょう!
たばこを吸う
ストレス解消方法を持ってない
早寝・早起きではない
毎日お風呂はシャワーだけである
便秘である
早食いである
22時以降も食べることがある
最近、汗ばむ運動をした覚えがない
いかがでしたか?これは、どれも中性脂肪を増やしてしまう生活習慣です。
当てはまる個数が多いほど乱れた生活習慣と言えます。
当てはまる項目は一度見直して改善しましょう。
まとめ
中性脂肪を下げるためには、内臓脂肪を減らすことが重要でしたね!
内臓脂肪を減らすには、「食生活(食事)の見直し」「運動」「生活習慣の見直し」が必要です。
自分にできそうなことはありましたか?まずは、振り返ってみたこと、やってみようと思ったことを紙に書きだしてみてください。
そして、今日からできることは、ぜひはじめてみましょう!
◆参考文献◆
- 「よくわかる中性脂肪」 栗原毅 ㈱学習研究社 2009
- 「最新版 本気で治したい人のメタボリックシンドローム」 宮崎滋 ㈱学研パブリッシング 2013
- 「患者のための最新医学 脂質異常症 最新の食事療法」寺本民生 高橋書店 2016
この記事を書いた人
保有資格:管理栄養士
大学・大学院で生活習慣病について研究、卒業後は製薬会社に勤務。
栄養学に興味を持ち、管理栄養士資格を取得。
現在はダイエット向けの食事指導を行っている。