管理栄養士の中性脂肪対策食事講座

食物繊維&ビタミン豊富な青汁を飲むことは中性脂肪対策になりますか?

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中性脂肪の数値が高いとたいていの場合は、食生活改善と運動習慣をつけるようにというアドバイスを受けますね。

それはちょっとした生活習慣の見直しでも、中性脂肪値を改善することは結果が出やすいからでもあります。

まだあまりひどくないうちに生活習慣を見直せば、薬のお世話になるような事態を免れたり、その先に待つ大きな疾患を未然に防いだりすることに繋がるのです。

ただ、それでもこれまで続けてきた生活習慣を変えることは、口で言うほど簡単ではないですね。

偏った食生活も運動不足も、きっと「このままではいけない」とはわかっていても改善できていないのではないでしょうか?
その結果が今の中性脂肪の数値に現れたのでしょう。

「すぐに変えられるくらいなら、とっくにやっていたよ・・・」というのが本音ではないでしょうか。

そんな時よく目につくのが健康食品。特に今は「青汁」も種類が豊富です。

毎日テレビで様々な青汁のCMが流れていますから、かなり多くの方が健康を考えて青汁を飲もうという人が多いのだと思います。

もし青汁を飲んで中性脂肪の悩みが解決するなら、それでどうにかしたいなぁなんて思いませんか?

今回は、中性脂肪を飲むことが中性脂肪対策になるのかについて、ちょっと考えてみたいと思います。

 

青汁は何が良いの?

まずは青汁について、もう少しよく知っておきましょう。

青汁が中性脂肪の改善をはじめ、生活習慣病対策として多く発売されているのは、現代人に不足しがちな栄養素を補ってくれると期待されるからです。

よく使われる素材には、ケールや大麦若葉、桑の葉といったものがあります。

ケールはキャベツやブロッコリー、カリフラワーといった野菜の原型と言われている野菜で、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富という栄養価の高さから注目され、青汁の草分け的な存在。

中性脂肪に限定することなく、ストレスや不眠、肌荒れなど身近なトラブルから抗がんといった効果まで期待されています。

大麦若葉は大麦の新芽で、新芽というのは植物が成長していくエネルギーを蓄えている時期なので、生命力の強さがあり、その活性化した状態を青汁として取り入れようというものです。

大麦若葉に多く含まれる葉緑素にコレステロール値を下げたり血栓を防いだりといった脂質異常症対策にもうれしい効果が期待でき、その他血圧降下や整腸作用など、生活習慣病対策には欠かせない効果が謳われています。

桑の葉は漢方の生薬としても利用されてきた素材で、有効成分DNJ(1-デオキシノジリマイシン)が糖の吸収を抑制して血糖値の上昇を抑える効果が期待されています。

いずれも良い効果の期待できそうな成分を含んでいながら、日頃生の姿ではなかなか入手できないこともあって、青汁として取り入れられることがありがたいということもある素材です。

青汁の含有成分の数値を見る場合には、できれば各社がその製品を直接分析センターに持ち込んで得た結果であることが望ましいでしょう。

一般的にこれらの素材から期待できるとされている効果を述べられても、きちんとその製品からその成分が摂取できるかという点は、現物を対象にして調べたものでないとわかりませせん。

 

青汁は中性脂肪対策にオススメなのか?

有効成分がわかっているのだから、やっぱり青汁を飲めば良いのか!と合点するのはちょっとお待ちください。

青汁を飲むことを止める理由はありませんが、青汁を積極的に推奨しているということでもないのです。

青汁との正しい付き合い方は、「足りない分を青汁で補う」という姿勢です。

もし「青汁を飲んでいるから、大丈夫」と考えてしまいがちな性格の方がいらしたら、「では、青汁はやめておきましょう」とアドバイスします。

青汁をはじめサプリメントの類を使うには、考え方への正しい理解が必要です。

それは、使用目的が「足りない栄養素を補充する」なのか、「健康を維持したい、一層増進したい」なのか、「今の状況を改善したい」なのか、といういずれかにあてはまるかということです。

「今の状況を改善したい」というのはいわゆる民間療法的なものが多く、青汁やサプリメントはあくまでの食品です。
薬とは違いますから、「これを飲んで治る」ということとは違うものだと理解しましょう。

私たちには必ず必要となる栄養素がありますね。これらはきちんと日頃のお食事からバランスよく摂取されるべきです。

それでも日々の生活の中では規則正しい食生活が送れない日もあるでしょう。

数日のお食事を振り返ると栄養素が偏っているなと思われる、そんな時に青汁をプラスするということもあるでしょう。
これは正しい使い方です。

しかし中性脂肪の値が高いという指摘を受けた時点で、日々の食生活や運動習慣には何かしら改善すべき点が思い当たるはずです。

それらを全て見なかったことにして、単に青汁を飲んで補っても、本来青汁に含まれる栄養素が果たしてくれるような役割が発揮できません。

そしてもちろん根本解決にもなりませんから、事態の改善は難しいといえるでしょう。

 

食事の大切さ

毎日必要な栄養素を食事から摂取することを考えるには、単独の栄養素や成分に着目する考え方は向いていません。

たとえば、青汁からは不足しがちなビタミンやミネラル、食物繊維を補えます。ということは、日頃のお食事をしているからこそ「不足しがち」なものが出てくるのであって、日頃のお食事なくしてはこのバランスは成立しないのです。

食物繊維はそれ自体にエネルギーはありませんが、体内の余分なものを排泄してくれる働きがあります。

過剰なダイエットをしてお食事を控えてしまう方は便そのものの材料となるものがないので、いくら食物繊維を摂ったからといってなかなか便通は改善されません。

ビタミンはエネルギーとなる栄養素を体内で代謝する役割を担います。

つまりエネルギーとなる栄養素をしっかり摂っていなければ代謝を促進する相手がいないわけです。

ミネラルを摂って身体の組織を作ろうにも、ペアを組むたんぱく質や脂質が不足していては組織を作ることはできません。

食事として日頃からいろいろな食材をいろいろな調理法で摂っていれば、こういった体内での細かい反応にいちいち気を使わなくても、スムーズに進めてくれます。

それが青汁やサプリメントのように特定のものをいつも決まって摂取するような方法では、難しいことがおわかりいただけるでしょうか。

さらに付け加えるのであれば、「きちと噛んで食事をする」という効果もあります。

噛むことは満腹中枢を働かせる、胃腸を動かす、消化を促す、脳に刺激を与える、とさまざまな効果があり、さらには手・腕・目・口といった身体を動かすことにもなるのです。

日頃当たり前にやっていて気づきにくい点ではありますが、きちんと噛んで食べ物を身体に入れていく習慣はないがしろにしてはなりません。

 

まとめ

私は管理栄養士ですので、食事の大切さや楽しさを多くの方に知っていただいたいと考えています。

でも青汁を積極的にオススメしない理由は、そんな個人的な感情からではありません。

「青汁はあくまでも食品」だということをぜひ忘れないでください。

もし毎日牛乳を飲む習慣がある方は、牛乳を飲めば骨折が治ると思いますか?青汁も同じです。

毎日飲む習慣をつけるのも良いでしょう。でも食品である青汁が脂質異常症を治すということはないのです。

日々の健康的な食習慣を見直して、その一つの方法として青汁にもチャレンジしたい!という方はもちろん応援します!

 

この記事を書いた管理栄養士さん

名前:Chika
保有資格:管理栄養士
フリーの管理栄養士。食関連資格の教材作成や専門学校講師などの仕事をしています。

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