管理栄養士の中性脂肪対策食事講座

れんこんのポリフェノールに中性脂肪を下げる働きあり!?

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「れんこん(蓮根)」は、体に良い効果をもたらす栄養素をたくさん持つ食材であることをご存知でしょうか?

淡泊な色で一見あまり栄養素を持たないのかなという印象を受けやすいですが、ビタミンCやミネラルを豊富に含んでいます。

また、糖代謝や脂質代謝を助ける働きを持つビタミン類も含まれています。

その他にも、れんこんに含まれるポリフェノールが、中性脂肪を減らしたたり、脂肪肝を改善したり、アレルギーを抑えてくれるという報告もあります。

私たちの体を健康にしてくれる「れんこん(蓮根)」について詳しく説明していきます。

 

れんこんに含まれる栄養素と効能

まずは、れんこんに含まれる栄養素とその効能について紹介していきます。

先ほども少し触れたように、れんこんには栄養素が豊富に含まれています。

ビタミン類では、ビタミンCが多く含まれ、野菜には珍しいビタミンB1、ビタミンB2も含まれます。

ビタミンB1は糖代謝、ビタミンB2は脂質代謝を助ける働きをもつため、食べ物を効率よく代謝するのに不可欠なビタミンです。

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また、カリウム、カルシウム、鉄、銅などのミネラルも豊富に含んでいます。

ミネラルも欠かせない栄養素ですね。

 

その他には、肥満防止や便秘予防に効果のある食物繊維や粘膜や胃の保護をしてくれるねばり成分であるムチンも含みます。

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また、れんこんの切り口はすぐ変色してしまいます。

変色する原因となる物質がポリフェノールですが、このポリフェノールの効能がたくさん報告されています。

例えば、脂肪肝の改善、抗酸化作用、炎症の抑制、アレルギー症状の抑制の効果を持つということがわかっています。

 

れんこんのポリフェノールの脂肪肝の改善効果

先ほど、れんこんに含まれるポリフェノールには、脂肪肝の改善効果があることをご紹介しました。

中性脂肪が高い人は脂肪肝の可能性もありますので、気になりますよね。

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どういうメカニズムで脂肪肝の改善効果があるのかを少し説明していきます。

すぐにエネルギーとして使われなかった糖質は、脂肪酸を経て中性脂肪に変わります。

糖質を脂肪酸に変えるのは酵素の働きによるものです。

れんこんのポリフェノールはこの酵素の働きを阻害する力があります。

つまり、れんこんポリフェノールは余分な糖質が脂肪酸に変わるのを邪魔して、中性脂肪が合成させるのを抑制するのです。

もう一つも、糖質⇒脂肪酸⇒中性脂肪に変わる過程の糖質⇒脂肪酸の生成過程に、クエン酸回路というものがあります。

このクエン酸回路をれんこんのポリフェノールが阻害することで脂肪酸の合成を減り、その結果中性脂肪の合成が減るというものです。

詳しくはこちらのクリニックのサイトで詳しく図解で解説されていますので、興味のある方はぜひご覧ください。

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このように、れんこんのポリフェノールには中性脂肪の合成を減らす効果、脂肪肝の改善効果があると言われています。

 

れんこんのポリフェノールを効率的に摂る食べ方

中性脂肪を減らす効果や脂肪肝の改善効果があるれんこんのポリフェノール。できることなら効率よく上手に摂りたいですよね。

れんこんのポリフェノールを効率的に摂る食べ方について説明します。

れんこんのポリフェノールは、皮から約3mmに集中して含まれます。

ですから、皮をむいたり水にさらすとポリフェノールが減ってしまいます。

そのため、れんこんは皮をむかずにそのまま食べるのが理想の食べ方です。皮ごと食べるときは、たわしなどでこすり洗いをしてから使いましょう。

れんこんをそのまま食べる手軽な食べ方として、れんこんをパウダーにするのがおススメです。

作り方は、れんこんを良く洗い、皮つきのままごく薄い輪切りにします。その後、天日干しで2~3日乾燥させ、カラカラに乾燥したら、ミルで粉末状にすれば出来上がりです。

このれんこんの粉末は、お湯に入れて温かい飲み物として飲むと優しい甘味を感じることができます。

また、とろみがつくのでスープやお味噌汁に入れても美味しく食べることができます。

 

れんこんの選び方

れんこんの上手な選び方、見分け方をご紹介します。

れんこんは、蓮の地下茎で泥の中で育つため、皮の色や汚れは自然なものです。

ただし、部分的にしみのようなものが出ていたり、表面が乾いているものは、収穫から時間がたっているものになりますので、できるだけ避けたいですね。

一方、ふっくらとしていて傷がなく、なるべく切り口が茶色に変色してないものが良いれんこんです。

ずっしりと重みがあるものは、まだ水分が抜けてなくみずみずしい証拠です。このようなれんこんを選ぶようにしましょう。

 

れんこんの保存方法

れんこんの保存方法をご紹介します。

切っていない1節丸ごとを保存するときは、新聞紙に包んだ後、ポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
保存期間の目安は1週間程度です。

切り口がある場合には、ラップでしっかりと空気と触れないように包み、断面が乾燥しないように気をつけましょう。
なるべく3~4日以内には使いきるようにしましょう。

また、れんこんは冷凍保存もできます。冷凍する場合には、使いやすい大きさに切り、表面の水をキッチンペーパーなどでしっかりとふき取ってから、保存袋に入れて冷凍保存します。
保存期間の目安は、2~3週間になります。

 

れんこんはどんな料理に使える?

れんこんは、和食でよく使われているイメージがあると思いますが、洋食としてパスタやグラタンに入れても美味しいです。

さらに、中華料理であれば牛肉のオイスターソース炒めや春巻きの具としても使うことができます。

このように、れんこんは様々なジャンルで使うことができるので、飽きずに食べることができます。

また、れんこんは切り方によってさまざまな食感も楽しむことができます。

シャキシャキ感を味わいたいときは、薄く切って、さっと茹でてサラダにします。
変色を抑えるためにも酢が入っているドレッシングを使うといいでしょう。

もちもち感を出したいときは、すり下ろしてハンバーグの具と合わせるといいでしょう。

食感も残したいときはすり下ろすのではなく、厚めの袋にれんこんを入れ麺棒でたたいて潰すと自分好みの食感を残すことができます。

また、れんこんが苦手な方はすりおろして料理に混ぜると食べやすいです。

ホクホク感を出したいときは、大きめに切り、おでんの具として使ったり、カレーやシチューなどに入れても美味しく食べることができます。

また、れんこんの切り口は穴が空いて独特な形をしているので、カレーやちらし寿司などのトッピングに使うと華やかさを出すこともできます。

 

れんこんを料理に使うときの注意点

れんこんを料理に使うときの注意点についてです。

れんこんは変色しやすいため、切ったら酢水または水につけておきましょう。

ただ、水につけるほど栄養素がどんどん抜けるので、つける時間はなるべく短時間にしましょう。

変色してもいい時は、水にさらさずに使ってもOKです。

 

れんこんを使ったレシピ例

れんこんの鶏つくね

れんこんの鶏つくねれんこんは食物繊維が多いのはもちろん、野菜には珍しくビタミンB群も豊富に含まれています。

その他、ミネラルもたっぷりと含まれているので疲労回復効果や体の中からきれいにする働きがあります。

脂質の吸収を抑えるひじきなどの海藻類を組み合わせることによって、中性脂肪値の低下にさらに効果が期待できます。

<材料(4人分)>

  • 鶏ひき肉・・・・200g
  • 乾燥ひじき・・・5g
  • れんこん・・・・200g
  • 長ねぎ・・・・・1/2本分
  • おろししょうが・小さじ1/2
  • 片栗粉・・・・・大さじ2
  • 米油・・・・・・大さじ1
  • 調味料A
    酒・・・・・・大さじ1
    しょうゆ・・・大さじ1
  • 調味料B
    しょうゆ・・・大さじ3
    砂糖・・・・・大さじ3
    酒・・・・・・大さじ2
    みりん・・・・大さじ1

<作り方>

  1. ひじきはたっぷりの水で戻しておく。ねぎはみじん切りにしておく。れんこんは半分はすりおろして軽く水気を切る。もう半分はみじん切りにする。
  2. ボウルに鶏ひき肉、ひじき、1.のれんこん、ねぎ、おろししょうが、片栗粉、Aを入れよく混ぜる。
  3. フライパンに米油を熱し、3.を中火で両面に焼き色をつける。焼き色がついたら蓋をし、弱火で3~4分ほど蒸し焼きにする。
  4. 3.を一度取り出し、フライパンの汚れをキッチンペーパーでふき取る。Bを入れて煮立て、とろみがついてきたらつくねを戻し入れ、タレを全体に絡める。

<栄養素(一人分あたり)>

エネルギー:219kcal
コレステロール:40mg
食物繊維:1.9g
脂質:8.4g
食塩:2.1g

 

ひじき蓮根

ひじき蓮根

ひじきはアルギン酸という水溶性食物繊維を多く含んでおり、糖質や脂質の吸収を抑える働きがある食材です。

また、ひきじは海藻の中でも特にミネラルが豊富で、中性脂肪が高い人が摂った方が良い「クロム」も含まれています。

蓮根(れんこん)も食物繊維が豊富な食材です。

 

<材料>

  • ひじき(乾燥したもの)・・・50g(水に戻す)
  • 蓮根(れんこん)・・・・・150g(薄切り)
  • ごま油・・・・・小さじ1
  • 醤油・・・・・大さじ2~3

 

<作り方>

  1. ひじきはさっと洗って水に戻し、長いものは5センチくらいに切っておく。
  2. 蓮根(れんこん)は薄い半月の小口、またはいちょう切りにする。
  3. 鍋を温めてからごま油を入れ、れんこんが透き通るまで炒める。
    ※焦げそうなら少量の水を加えながら炒める(ウォーターソテー)
  4. 3.にひじきを加えてさっと混ぜ、戻し汁をひたひたまで入れ、沸騰したら火を弱めて煮る。
  5. 柔らかく煮えてきたら、鍋肌から醤油を回し入れさらに煮込む。
  6. 汁気が無くなったら箸でひっくり返しながら煮詰める。

〔調理のコツ〕
※ひじきは戻しすぎない。
※ひじきの戻し汁は捨てずに使う。
※ひじきは強い火で炒めると皮がむけてしまう。
※煮ているときに混ぜない。

 

まだまだあります!当サイトで紹介しているれんこんを使ったレシピ

 

まとめ

れんこんの栄養素や食べ方についてご紹介してきました。

れんこんのポリフェノールの効果が知られるようになり、今では市販でれんこんの粉末が売られているほどです。

れんこんは、体にとって良い効果をもたらすだけでなく、様々な料理で使えることを知って頂けたと思います。

また、れんこんは、調理方法によって食感も楽しめるので、より食事を豊かなものにしてくれる食材でもあります。

中性脂肪を減らしたいという方は、「皮も一緒に食べること」を意識してみてください。

れんこんの知識を得た今日から、早速食事にれんこんを取り入れてみてください!

 

この記事を書いた管理栄養士さん

名前:あや
保有資格:管理栄養士
大学・大学院で生活習慣病について研究、卒業後は製薬会社に勤務。
栄養学に興味を持ち、管理栄養士資格を取得。
現在はダイエット・更年期向け向けの食事指導を行っている。

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