中性脂肪対策の食事の基本

中性脂肪を下げる食事ってどんな食事ですか?

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shokuji01

健康診断で中性脂肪が高かった方、「生活習慣を改善すれば下がる」とアドバイスされた方も多いのではないでしょうか。

まさにその通りで、中性脂肪は食事や運動などに気を付けると、きちんと効果を発揮してくれる検査項目です。それでは、どのような食事をすれば中性脂肪は下がるのでしょう。

まず、中性脂肪はトリグリセリド(TG)とも言い、肉や魚、食用油などの食品中の脂質や体脂肪の大部分がこれにあたります。三つの脂肪酸がグリセロールに束ねられた構造をしていて、この脂肪酸の種類は一つではなく、いくつもあり、食品によってその脂肪酸組成は大きく異なり、性質も変わります。この脂肪酸については、また詳しくお話したいと思います。

中性脂肪は、人や動物にとって重要なエネルギー源であり、脂に溶ける性質のあるビタミンや必須脂肪酸の摂取にも不可欠です。ただし、必要以上に摂りすぎてしまうと、体脂肪として蓄えられて肥満を招き、生活習慣用を引き起こしてしまいます。

血中脂質が正常域をはずれた脂質異常症は動脈硬化の危険因子で、放置すれば脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化性疾患をまねく原因ともなってしまうので、自覚症状がない今のうちから、対策に取り組みましょう。

 

中性脂肪が高い脂質異常症の人がすべき食事

脂質異常症の人がどのような食事をすべきか示されたガイドラインを見てきましょう。
参考とするのは「動脈硬化性疾患予防ガイドライン(2012)」になりますが、これは脂質異常症の治療のためだけでなく、複数の動脈硬化危険因子に対して包括的に対応するものとして策定されたものです。

 

エネルギー:標準体重を維持するエネルギー量(身体活動量も考慮)

まず、標準体重は、[身長(m)×身長(m)×22]で算出します。これででてきた数字(kg)が、自分の標準体重です。

現時点でこれを上回っている場合は、減量を心がけましょう。減量するためにも、一日に摂取するエネルギーを知る必要があります。国が出している食事摂取基準2015は保健指導レベル(病気と診断されていない人)も対象としています。その推定エネルギー必要量は成人では[基礎代謝量(基礎代謝基準値×体重)×身体活動レベル]で出すことができます。

基礎代謝基準値は、年齢・性別ごとに異なり、例えば30~49歳男性では22.3です。これに、体重は、先ほど算出した標準体重を入れることで、標準体重になるため(その体重になるため)に必要なエネルギーがわかります。現在の体重を入れれば、今の体重を維持するために必要なエネルギーがわかるわけです。

そして身体活動レベルは、低い・ふつう・高いと三段階に分けられています。そこに入れる数字は異なり、生活の大部分が座位で静的な活動が中心の場合は低いに該当し、1.50を、座位中心の仕事でも職場内での移動や立位での作業、接客等、あるいは通勤、家事、買い物、軽いスポーツなどを含む場合は普通として1.75、移動や立位の多い仕事の従事者や、スポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている場合は高いとして2.00を用います。

例えば、30歳の男性で標準体重は60kg、ほとんどデスクワークで、通勤も車…という方の一日に必要なエネルギー量は

22.3×60×1.5=2007

となり、約2000kcalを目標にエネルギーを摂ればよいことになります。

 

炭水化物:摂取エネルギーの50~60%

脂質異常症のうち、中性脂肪が高い場合はエネルギー比をやや低めにとのことなので、だいたい半分くらいを目安に炭水化物を摂ると覚えておくとよいでしょう。ちなみに一日2000kcalの人であれば、そのうち1000~1200kcalを炭水化物から摂取することになります。

炭水化物はごはんやパン、麺などの主食以外にも、芋類や果物類、調味料の砂糖類や小麦粉やパン粉からも摂取しています。ごはんなどの主食の量に注意することはもちろんですが、おかずに使われている炭水化物にも気をつけましょう。

 

食物繊維:摂取を増やす

食事摂取基準2015では、成人男性の食物繊維の目標量は一日20g以上、女性は18g以上と設定されています。以前のガイドラインでは25g/日以上とされていましたが、今回はこのように改定されていました。

この数値をクリアしつつ、意識して多く摂取していくとよいでしょう。そのためにも、繊維質の多い野菜や、きのこ類、海藻類、こんにゃく類などを積極的に取り入れた食事がおすすめです。

 

脂質:摂取エネルギーの20~25%以下

一日に2000kcalが目標の人は、そのうち400~500kcalを脂質で摂取することになります。脂質は1g9kcalなので、約44~55gを脂質で摂ります。

料理で使う油だけでなくマヨネーズやドレッシング、カレーなどの市販のルウといった調味料にも油は多く含まれているので注意しましょう。また、肉や魚など食品にも油脂は含まれているので、赤身の肉を選ぶなどの工夫をするとよいでしょう。

 

コレステロール:200㎎以下

中性脂肪が高いだけの場合も、動脈硬化性疾患の予防のためにも、気をつけましょう。

コレステロールを多く含む卵黄、魚卵、内臓、エビ、イカ、うになどに注意する他、コレステロールを上げやすい食品であるバターや、生クリームなどの乳脂肪を含む製品、これらを使った洋菓子類などにも注意しましょう。

 

飽和脂肪酸:総エネルギー比4.5%以上7%未満

飽和脂肪酸は食品の脂肪のうち、バターや肉類などの動物性脂肪に多く含まれています。脂質の摂取量がエネルギー比で20~25%ですから、その1/3~1/4程度ということになります。

飽和脂肪酸は悪玉コレステロールを増やします。この摂取量を少なくすると心筋梗塞罹患リスクを小さくすることが研究により示唆されているので、炒め物は植物油を使ったり、パンにバターを塗るのをやめたりするなど、心がけていきましょう。

 

不飽和脂肪酸:n-3系不飽和脂肪酸の積極的な摂取

不飽和脂肪酸は植物油に多く含まれていますが、n-3系不飽和脂肪酸には、α―リノレン酸、DHA、EPAがあります。これらを摂取するためには、植物油や魚を食事に取り入れていくとよいでしょう。

 

ナトリウム(食塩相当量):6g/日未満

これも脂質異常症治療のためだけでなく、動脈硬化危険因子に対応するものです。中性脂肪高値に加えて高血圧も気になる場合は、強化して取り組みましょう。薄味でも美味しく食べられるように出汁のうま味や酸味、香味をきかせたり、麺類の汁は残したりするなど、できることから始めましょう。

 

アルコール:25g/日以下

中性脂肪はアルコール摂取量に比例して増加すると言われています。ビール500mlではアルコール量は約20g、日本酒1合であれば約22g、ウイスキーダブル1杯で約21g、ワイングラス一杯(200ml)で約19gです。
このくらいを適量として、上手に付き合っていきましょう。

 

いきなり細かい数字すべてを気にすることは大変かもしれませんが、ごはんの量やアルコールの量を決めたり、積極的に野菜や魚を取り入れたり、できることからどんどん取り組んでいきましょう。

 

<参考資料>
・日本人の食事摂取基準2015(厚生労働省)
・e-ヘルスネットHP(厚生労働省)
・動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012(日本動脈硬化学会)

 

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